PS2アーカイブス

スペシャルインタビュー「風雲 新撰組」第二回
2014年4月
元気株式会社ではPS2アーカイブスでのタイトル販売を始めます。
2000年代、元気では16タイトルのPlayStation(R) 2のソフトウェアをリリースしました。
そのタイトルのうちいくつかをPS2アーカイブスで再販売いたします。
そしてそのタイトルに合わせ、開発者や営業担当などの昔話を連載記事に仕立ててみることにしました。
途中で方針が変わるかもしれませんが、それはそれでご容赦ください。
また、リリースしてほしいタイトルありましたら、元気公式twitterアカウント「@Genki_official」までご連絡ください。
中の人(はまち)が時折ツイートしてみますね。

風雲 新撰組
■発売日 | 2004年7月8日 |
---|---|
■ジャンル | 歴史アクション |
■本体価格 | 6,800円 |
- ■著作権表記
-
(C)2004 GENKI
(C)2003 Konami Computer Entertainment Japan.Illustrated by Yoji Shinkawa.
- ■ゲーム概要
- 結成から140年たった今でも人々を魅了してやまない存在、新撰組。 幕末を舞台に、プレイヤーは近藤、土方、沖田ら有名隊士とともに激動の時代を体感する。 「池田屋事変」「芹沢鴨暗殺」など800に及ぶイベント、隊士を引き連れて戦う新システム、 仲間との信頼・・・ゲームを進めるうちにあなたは新撰組に欠くことの出来ない隊士へと成長する!
PS2アーカイブス
■発売日 | 2014年6月18日 |
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■販売価格 | 1,200円(税込) |
■URL |
商品紹介 :
PlayStation.com 販売ページ:SENオンラインストア |

スタッフ/今野
■元気株式会社:プランナー
■経歴:
新卒時はプログラマとして入社。数タイトルの開発に携わり、メインプログラマーまで経験した後、ディレクターに。「風雲 幕末伝」「任侠伝」後は主にOEMタイトルに関わる。その間なぜか在籍がプランセクションに変更。現在はマネージャーを務める。入社時から現在まで30kg増の高成長率を誇り、現在も成長期継続中。

インタビュアー:はまち
■元気株式会社:なりゆきで広報
■経歴:
元気のゲーム事業部でなんかいろんなことをしてる人。元番組制作会社のAD。元本屋さん。元ゲーム屋さん。元気公式twitterアカウントでおもいついたことをツイートしてます。
元気では職種がフレキシブルに変わることもあるんです
- はまち:
- 今野さんってプランナーだったんですか?
- 今野:
-
僕はもともとプログラマーだったんですよ。
メインプログラマーとしてプロジェクトに入ったんで、 はじめはほとんどコード(=ゲームを構成するためのプログラムを記述した文書)しか書いてなかったんですよ。 - はまち:
- 「風雲 新撰組」(以下「新撰組」)でもですか?
- 今野:
- そうです。
- はまち:
-
思えば、入社したときは新撰組のα版の時期だったとおもうんですけど、
…………たしかに、プログラマーでしたね。 - 今野:
- プログラマーでしたよ。
- 一同:
- (笑)
- はまち:
- おかしいな、いま企画のマネージャーですよね。
- 今野:
-
(笑)
変ですねぇ(笑) - はまち:
- なんでなんですか?
- 今野:
- 入社当時はプログラマーだったんですけど、新撰組の前のプロジェクトから メインシステムのごちゃごちゃしたところは下のプログラマーに任せて、 自分は全体を見たりとか、ちょこちょこっとした部分をやったりしつつ、 なんか問題があった時には自分が手伝えるような感じにしてたんですよ。
- はまち:
- なるほど。
- 今野:
-
新撰組もそういう対応でいこうと考えていたんですよ。
新規タイトルなんで多少主となる部分もやりましたけど、 重い部分も任せられる所は、もう後輩に任せてっていう形にしてたんです。 - はまち:
- プログラム面では引継ぎができるようにしてたんですね。
- 今野:
-
そうです。
で、ゲームを作りながら、知らない新撰組のことを勉強していった中で、 「もっとこういう風にやるべきではないか」とか、新撰組的視点でも、 ゲーム的視点でも、もっとこうしようよ、とか提案したり。
そもそもゲームの仕様という面で物足りないと思ったところに、 いろいろとチャチャを入れていったわけです。 - はまち:
- だんだんと仕事がプランナー化していったんですね。
- 今野:
- それで、「じゃーお前仕様書けばいいじゃん」と言われたり、こちらから「仕様書いたから、 この通りにしない?」とかをやり始めていった中で新撰組が終わって じゃあ次、続編を作るということになったときに「今野ディレクターやってね」と 堀越さん(現 取締役)の方から話になったんですね。「今回はコード書かせないからね」って・・・・・
- はまち:
- ほーーーーー。
- 今野:
- 「二足の草鞋でやるほどオリジナルタイトルは甘くないから、ディレクター成り立ての男が、 コードを書きつつディレクターやりつつは無理なので、 ゲームデザインの方だけ頑張ってやってね。」と言うことですね。
- はまち:
- そんな経緯だったんだ。しらなかった・・・・・。
- 今野:
-
続編の時はマネジメントの面はプロデューサーがみてくれてたんで、
本当にゲームデザインの方ばっかり、好き勝手言って作らせてもらったって感じで…。
といっても「新撰組」の頃からいろいろ「こういうのやろうよ」とか勝手に言っていたんですが。
たとえば、ゲームオーバーになった時に自分の名前にベッと墨が塗られるじゃないですか、「除名」って。 - はまち:
- ありました。悲しい演出です。
- 今野:
- あれも、たしか最初はプレイヤーだけ墨が塗られる仕様だったんですよ。
- はまち:
- そうなんですか!?
- 今野:
- せっかくストーリーが第何章とか分けて管理されているので、それならたぶんその瞬間でどの隊士が死んでいるかわかるんで、 じゃー、その時点で死んでいるひとは順番に墨を塗っていこうよ、と。
- はまち:
- あー、そういえばそうでした。
- 今野:
- 後半で死ねば死ぬほど隊士の名前に墨が塗られているような演出にしましょうよみたいなことをやって……まぁ、 バグ出しましたね(笑)
- 一同
- 爆笑
- はまち:
- それは、整合性が取れなかったりとかですか?
- 今野:
- そうです、あれは、ミスですね(笑)
-
罪のない町人を切ってしまう「ご法度」3回でも除名となります。
新撰組で出したくなる派手な技「連携技」についてもきいてみましたよ
- はまち:
- 新撰組の連携技あるじゃないですか。
- 今野:
- はい。
- はまち:
- 派手ですけど、あれはどの辺から派手になりだしたんですか?
- 今野:
-
どの辺からですかねぇ。連携技を入れようというのも、えーといつから入ってきたのかなぁ・・・・。
ただ、あれはとにかくデバッグ(=バグを見つける作業)が面倒くさくてねぇ。 - はまち:
- 面倒くさいんですか?
- 今野:
- あのー、キャラクターがきれいに決まった形に並ばないと出ないんですよ。
- はまち:
- そうでした!特に新撰組は厳しかったような記憶です。
- 今野:
- で、えーと、デバッグのために全部の連携技がちゃんと出るか確かめないといけなくて、 開発中に「データが変わりました」ってなる度にもう一回イチから・・・(苦笑)
- はまち:
- 確認をしないと・・・・
- 今野:
- えぇ。道場にこもっている人が中にはいましたね。
- はまち:
- あれはたしかに自分たちの陣形もそうですけど、敵の位置も関わってくるんで。
- 今野:
- そうそう。
- はまち:
- 結構な数ありましたよねぇ。
- 今野:
- ありましたね。隊士の隊長分、全部ユニーク(個別)に用意されたものがあって。 あと、位置関係と人数で変わったりというのが結構あったんで。
- はまち:
- それは、面倒くさい!(笑)
-
連携技はその隊士の配置、つれている隊士、不逞浪士との位置関係によって変わります。 - 今野:
-
たぶんシリーズが続くにつれて出しやすくしていったと思うんですけど。
新撰組って多少試作版っぽいところが残ってたんですよ。
ミッションも「謎解きの要素を入れたいなぁ」というのがあって、ターゲットが逃げて居なくなったとしても教えてくれないんですよね。 - はまち:
- 不親切だ(笑)
- 今野:
- 「もう、このミッションにはボスは出てこないよ」みたいなのが、 ユーザーが分かるまで結構時間かかってしまったりとか、少々不親切なところはありましたね。
- はまち:
- そういう意味では、まぁ荒削りですよね。
- 今野:
- そうですね。
- はまち:
- たしかに、敵が出てくるっていうアイコンは…ついてたかな?
- 今野:
-
いや、たぶんその辺も出して無かったんです。対象の敵を発見して初めて出るとかだったと思います。
で、あのーどういう条件で出るかっていうのは一応ミッションの説明には書いてあったりするんですけど、 ヒント程度だったりするので、まぁ、今でもあんまり読まないじゃないですか。そういうの。 - はまち:
- まあまず読まないですね。
- 今野:
- で、マップ上駆け回ってマップの全エリアを走破すると出たりとか、何人以上殺したら出るとか、 結構ヒントが無いのにそういうのをやってたんで、難しかったなぁと思いましたね。
- はまち:
- そうですね。いやーわりと千人くらい殺してもですね、(笑)
- 今野:
- (笑)
- はまち:
- 「なんにも起きないけどなぁ、このミッション」っていうのがありましたね。 その点についてはユーザーからも多くのお問い合わせがありましたね。
- 今野:
- とにかく人を一杯倒すミッションとか、それでレベルアップしようというのがあって。特に神社。
- はまち:
- はい。ありました神社のミッション。
- 今野:
- あそこで、いっぱい殺してよっしゃーって思っていると、 見えない物陰から一撃で殺されて「あぁー」みたいのが・・・・・。
- はまち:
- ありがちです。
- 今野:
- ヒドイというか、思うつぼというか。まぁ、そういうのがありましたね。
-
不逞浪士を倒すことで得られる経験値が重要な成長要素です。
第三回に続く…