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PS2アーカイブス

スペシャルインタビュー「風雲 幕末伝」第二回

2014年4月
元気株式会社ではPS2アーカイブスでのタイトル販売を始めます。

2000年代、元気では16タイトルのPlayStation(R) 2のソフトウェアをリリースしました。
そのタイトルのうちいくつかをPS2アーカイブスで再販売いたします。
そしてそのタイトルに合わせ、開発者や営業担当などの昔話を連載記事に仕立ててみることにしました。

途中で方針が変わるかもしれませんが、それはそれでご容赦ください。
また、リリースしてほしいタイトルありましたら、元気公式twitterアカウント「@Genki_official」までご連絡ください。
中の人(はまち)が時折ツイートしてみますね。

剣豪2

風雲 幕末伝

■発売日 2005年1月20日
■ジャンル 本格歴史アクション
■著作権表記
(C)2005 GENKI
(C)2003 Konami Computer Entertainment Japan.Illustrated by Yoji Shinkawa.
■ゲーム概要
「風雲 幕末伝」は幕末の日本を舞台にした本格歴史アクションゲームです。
前作「風雲 新撰組」のゲームシステムをベースに新撰組だけでなく幕末の動乱の流れを完全収録しました。
今作では、佐幕、倒幕それぞれの立場でのプレイが可能になりますので、幕末という時代の流れをより強く体感することができます。
「桜田門外の変」から「池田屋事変」、「禁門の変」、「薩長同盟」、「長州征伐」等歴史的に有名なエピソードを完全網羅。

PS2アーカイブス

■発売日 2014年12月17日
■販売価格 1,200円(税込)
■URL 商品紹介 : PlayStation.com
販売ページ:SENオンラインストア

スタッフ/奥野
■元気株式会社:プログラマ
■経歴:
新卒でプログラマとして入社。関わったタイトルが初めて世に出たのはなんと2年半後。
「新撰組」ではゲームの基本プログラムを担当しながら敵キャラクタとしてデビュー。
「幕末伝」以降はメインプログラマとして、DSからアーケードゲームまで様々なタイトルに関わる。

インタビュアー:はまち
■元気株式会社:なりゆきで広報
■経歴:
元気のゲーム事業部でなんかいろんなことをしてる人。元番組制作会社のAD。元本屋さん。元ゲーム屋さん。
元気公式twitterアカウントでおもいついたことをツイートしてます。

ユーザーの皆様からご意見や応援のお手紙を頂くこともあるのですが・・・・

奥野:
風雲 新撰組(以下、「新撰組」)シリーズと言えば、作った後に中学生か高校生くらいの女性の方からの開発チームに対するファンレターが来ましてね。
はまち:
そうなんですか?
奥野:
それも、新撰組チームが風雲 幕末伝(以下、「幕末伝」)つくるって決まってたからたぶん「新撰組」後に「幕末伝」を作っている時に来たんですよ。
はまち:
へー!
奥野:
ファンレターが来て「おい!女子から来たぞ!」みたいな(笑)。
はまち:
ははははははは!
奥野:
ぞろぞろぞろって集まって来て、みんなで回し読みしました(笑)。
はまち:
そうなんだ(笑)。
奥野:
「うぉっ!女子から来た」(二回目)ってテンションあがって。
はまち:
・・・・・どんだけモテない会社なんですか(笑)。
一同:
(笑)
奥野:
中にはモテる人もいるけど。
はまち:
まぁ中には。えーそんなことあったんだ。
わりとあのー、ファンレターっていうか「こういうゲーム作ってください」とか「楽しみにしてます」とかはクルマに多いんですよ。
奥野:
ウチのゲームだとね。
はまち:
えぇ。その熱はすごい強いんですけど。「剣豪」もわりと来ますね。
奥野:
あぁー。
はまち:
剣術について熱く語りたい人っていうのが。
奥野:
でも女性から来ないでしょ。
はまち:
そう!
奥野:
女性から(要望やファンレターが)来るのが新撰組だと思うんですよね。
はまち:
うんうん。
奥野:
女性のファンって多いですから。今新撰組のゲームって言ったら女性向けになってますもんね。
はまち:
そっかー。わりとそういう意味では、もう辞めちゃったけどプランナーの女性の方が新撰組を推してましたね。
奥野:
新撰組アツかったよね。
はまち:
で、実際ゲーム自体をゲームショウで展示していたら、「幕末伝」の時にコスプレイヤーの人が発生して。
奥野:
はははは!あ、藤堂(平助)が居たんだっけ?
はまち:
そう!藤堂の格好をした人がいて「あ、コレは受け入れられたんだ」って思いながらそれ以上活かせなかった・・・・・(苦笑)
奥野:
まぁね、もうひと波ほしかったね。
はまち:
そうですね。
奥野:
女性も完全に取り込めてたら、もうちょっとヒットしてたかもしれないね。
はまち:
あと、もう一つ「幕末伝」だけに関していうと、タイトルを「風雲 新撰組 -幕末伝-」ってしておけばよかったのにっていうのを言われましたね。
奥野:
なるほどね。
はまち:
「幕末伝」じゃ続編ってことがちょっとわからない。
奥野:
たしかに。風雲シリーズじゃなくて、「風雲 新撰組」シリーズっていう。
はまち:
ぜひねぇ・・・・・埋もれさせておくには惜しいんですよねぇ。このゲーム。
奥野:
ホント。PSPで出た時買いましたもん。
はまち:
はっはっはっは!
奥野:
買って、倒幕佐幕クリアしましたから。
はまち:
そうなんだぁ(笑)。
奥野:
結構思い入れの強いゲームでしたね。

こちらが「幕末伝」の藤堂平助。中華っぽいアレンジですね。

リリース間隔が短い中、色々なことに挑戦をしていたみたいですよ

はまち:
(リリース間隔は)すんごい早かったですよね、「新撰組」の開発が終わったのって2003年の秋口ですよね。
で、そっから「幕末伝」の開発が始まって、一年後にはリリースですもんね。大変だったんじゃないですか?
奥野:
まぁ大変でしたよ。コレもう・・・・今思うと、ありえんくらい大変でしたよ!
はまち:
あー・・・・10歳くらい若いからできた(笑)。
奥野:
そうそうそう。スタッフにも恵まれていたと思うし。熱い人が多くて。
はまち:
実際どう大変なんですか?スケジュールとか・・・・・。
奥野:
スケジュールもそうですけど、やっぱり作りこみの部分と言うか・・・・・ただ斬っていくだけじゃ面白くないのでゲームとして成立するまで作りこまないとってのがあって、尾行の任務じゃないけど一個一個ほんとにいろいろ工夫して作ってますね。
そういうの作りこむのに、もういないけど当時のプログラマN君とかと夜な夜な調整しながらあれでもないこれでもないって・・・・。
どうしても変わったことやるとバグとかも出ちゃうんで・・・・それをうまく動くようにしてました。
はまち:
わざわざ納刀状態でふすまを開けるとか・・・・・。
奥野:
そうそうそう。ふすまを開けるのは「新撰組」の時にはなくて「幕末伝」の時に入ったんだけど・・・・・。
はまち:
「ふすま開ける」の操作ができない方が多くて。
奥野:
ねー。
はまち:
スパって斬っちゃうんですよ。
奥野:
「新撰組」の時はそうだったからね。
はまち:
で、斬っちゃって敵にバレちゃうんですよ。よく、お問い合わせの電話かかってきました(笑)
奥野:
そういうとき「ふすまを開けろ」とお伝えするんですか?
はまち:
えぇ、ふすまを斬らずに開けてくださいとお願いするんですけどね。
奥野:
プログラム的にはふすまとか壁とかって新撰組の時よりも処理しないといけないことが増えて、大変でしたね。
たとえば、銃ってあったじゃないですか。
はまち:
はい。ありましたね。
奥野:
銃ってふつう常識で考えると壁を貫通しないんですけど。
はまち:
えぇ。
奥野:
モーション的にキャラクターが壁に向かって張り付いた状態で銃を撃とうとすると、壁を腕だけが貫通しちゃうんですね。
はまち:
ゲームにはありがちですね。
奥野:
それで壁の向こうが撃てちゃうみたいなバグが出ちゃったりして。
はまち:
(笑)
それって最終的にどうしたんですか?
奥野:
それはもう・・・・銃の当たり判定をもともと銃の先端からリアルに設定してたんですよ、ぼくらバカ正直なんで。そういうのちゃんとやりたいんですよ。どうしても。
はまち:
はい。元気はそういうところがあります。(笑)
奥野:
そうそうそう。そういうのをやってたのを(弾の出所を)手元まで戻してきて、弾が身体の中心から銃の先端を通って何処にヒットするかって判定するようにして。
はまち:
ほうほうほう。
奥野:
ま、実際身体から弾が出るって考えると変なんだけど、そうすれば撃つと手前の壁にチュンと跳弾して突き抜けないようになると。
はまち:
なるほど。
奥野:
そういう処理をしました。
はまち:
手は壁を抜けてるけど・・・・。
奥野:
手は・・・・もうどうしても壁を抜けちゃってるけど、銃弾は突き抜けない。
じゃないとねぇ、壁越しに不逞浪士いるのわかってたらもう、バンバン撃っちゃいますよね。実際デバッグでそうやって遊んでいる人いたんで(笑)。・・・・・(心の中では)てめぇー!って(笑)。
はまち:
んなことあるか!と。
奥野:
直す直す!死んでも直す!って。
はまち:
(笑)
奥野:
やってましたねぇ。
はまち:
大変だなぁ。それだって、いちいちやってたらこう・・・ふすまも手がつき抜けないようにってなる。
奥野:
そういう処理をしないといけないんで・・・・・。
はまち:
面倒くさいですね。また、日本家屋狭いから。
奥野:
(苦笑)

きちんと納刀して、お行儀よくお願いします。

他にもデバッグの悩みは尽きないようです

奥野:
狭いでいうと、階段落ちとかもね。新撰組の特徴なんだけど、あれも・・・・・結構苦労しましたね。
はまち:
階段落ち・・・・アレ4段くらいしかないんですけど、敵が転げ落ちていくじゃないですか。
そしたら階段の下のところでずっとゴロゴロゴロゴロしているやつがいて。(笑)
奥野:
デバッグの時の話でしょ(笑)。よくハマるんだあれが。
はまち:
いつまでいるんだコイツは!と。
奥野:
そう。で、ゴロゴロしてるところに当たると主人公が体当たりを食らったみたいにちょっとよろめいて・・・・面白いんだけど。
はまち:
逆に残しておいても面白かったかも。
奥野:
すごくまれに出るとかだったらまだいいんだけどね。
はまち:
わりと頻発してたんですよね。4段の一番最後のところでずーっとゴロゴロしてるんだもん。なんの冗談だ・・・・と。
奥野:
そして、そいつが消えないとクリアにならないのにいつまでたっても消えないから、任務が終わらないってバグがあって。
WEB担:
斬ってもだめなんですか?
奥野:
斬れないのもう。斬ろうとしたら、体当たりをくらったみたいになる。
はまち:
なかなか難しいですね。
奥野:
そういうハマリバグは製品として絶対に直さないといけないんで・・・・。
はまち:
新撰組の時も、わりと最後の方の任務ですけどボスが壁を抜けちゃって異次元空間に行ってしまってクリアできないっていうのがあって(笑)。
当時のユーザーサポートのMさんが謝ってました(笑)。起きちゃうものは起きてしまうので。

斬られた人は速やかに落ちるのが正解。

人間らしさをどう演出するか 実現するのもプログラマの仕事です

奥野:
敵のAIとかもやってたんですけど、京都の町とかって路地が複雑になってるじゃないですか。
はまち:
はいはい。
奥野:
プレイヤーが離れたところにいて、逃げた後敵がどの道通って追いかけてくるかっていうのをやってたんですよ。
はまち:
はぁーーー。
奥野:
うん。で、右回りと左回りとプログラムで組んでしまうとどっちが近いかってわかってしまうんで、常に正解の方に向かって追いかけてくるってのもできるんだけど、そこはあえてゲーム的にバカっぽく作ってみたりとか、味付けしながらやってましたね。
はまち:
正解ルートをつねにやってたら・・・・もう。
奥野:
絶対追いつめられる。
はまち:
追いつめられるだけのゲームみたいな。そうだよなぁ・・・・・だからわりと人間臭いですよね。
奥野:
そう。人間臭さを演出するのにN君と相談してこういうのを入れようああいうのを入れようって、いろいろやってました。
はまち:
そっかぁ・・・・。
奥野:
モーションとかもいろいろ専用の物作ったりとかありましたけどね。

常に最短ルートじゃ追いつけません。

第三回へつづく・・・・・・・・・・

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